【動画】夏休みの困窮家庭への食料支援の様子=細川卓撮影
困窮する子育て世帯にとって、この夏休みは三重苦だった――。ひとり親家庭の支援をするNPOは、こう訴える。国も支援策を進めているが、必要とする世帯に必ずしも届いていない。NPOの活動に同行し、さまざまな「三重苦」の現場を見た。
8月下旬の夕方。NPO法人「ぱんだのしっぽ」(宇都宮市)の小川達也代表は、栃木県内のひとり親家庭に米、レトルト食品や生理用品などを配って回った。小学1年生と2歳の子どもを育てる女性(38)は4月に離婚したばかりで、初めて利用した。「冷凍食品で何とか学童のお弁当をやりくりしたけど、苦しかった。お菓子もあるのがうれしい」と喜んだ。
別のシングルマザーの女性(54)は、小学5年生と高校3年生の2人の息子を育てる。元夫からの養育費に加え、旅館の清掃員としてほぼ休日なく午前9時から午後2時まで働き、月給は6、7万円。比較的安価な品ぞろえが魅力のスーパーが頼みの綱だが、約20キロ離れている。自家用車は車検代が払えていないため動かせず、電車で通う。
夏休み中、子どもたちは「昼に起きていても行くところがないから」と夜通しスマートフォンでゲームをしていた。朝5時に寝て、夕方に起きるという昼夜逆転の生活。食事は1日1食だった。「規則正しい生活を送らせたいけど、いっぱいいっぱいです」とため息をついた。
「ぱんだのしっぽ」には夏休…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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