新型コロナウイルスの検査で陰性となり、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号を下船した乗客から感染が確認された。
船内の感染対策が不徹底だった疑いが強まる中、厚生労働省は米国や豪州のような隔離は採らない方針だ。自宅やホテルなどで過ごすことを前提に、下船から2週間は感染拡大を防ぐ協力を乗客に求めている。
栃木県内で下船後に感染が分かった例を受け、厚労省は23日、これまで「定期」にするとしていた健康状態の確認を「毎日」実施するよう関係機関に通知。やむをえず移動する際は、公共交通機関の利用を避けるよう求めている。下船した人は、体温を毎日測り、不要不急の外出を控えてもらう。せきや呼吸が苦しくなる症状がないかもチェックし、地元の保健所などから電話やメールで確かめる。症状が出れば、すぐに専用ホットラインに連絡してもらい、マスクを着けて、学校や会社は休んでもらうといった手はずだ。
加藤勝信厚労相は「情報を共有して保健所、都道府県、厚労省の三位一体でしっかりフォローアップしていきたい」と強調する。
長崎大の安田教授は「下船後2週間は最低限、自宅待機をしてもらうのが必須だ」と指摘する。同居の家族とは接触しないようにし、可能ならば個室で過ごし、食事も一緒にせず、タオルも共有しないようにした方がいいという。
国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生)は「無症状でもウイルスを排出している可能性を指摘する報告もある。心配な人は、2週間程度は家族と別の部屋で過ごしたり、食事は離れてとったりするなどの対策を念のためとってほしい。手洗いの徹底も大事だ」と話す。(三上元、阿部彰芳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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