「不審物」通報、中身は魚・たばこ サミット開幕、東京でも厳戒の理由

 主要7カ国首脳会議G7サミット)が19日始まった。主会場の広島から約700キロ離れた首都・東京でも、警視庁がテロへの警戒を強めている。距離はあるのになぜ緊張が高まっているのか。背景には過去の惨事と近年の傾向がある。

 「構内に不審物がある」。17日午前9時半ごろ、東京メトロ南砂町駅(東京都江東区)から110番通報があった。女子トイレ内にポリ袋に入った透明な瓶があり、中に液体が入っていた。警視庁の調べで、毒性のない有機溶剤と判明した。

 同様の通報は相次ぐ。14日には池袋駅豊島区)の地下通路でクーラーボックスが、4月20日にはJR高円寺駅(杉並区)構内で段ボール箱が見つかり、いずれも同庁の爆発物処理班が出動。それぞれ中身は魚とたばこだった。

 警視庁幹部の1人は、サミットを前に不審物に関する通報が増えていると感じるという。テロを警戒する市民の意識の表れだとして、「ありがたいこと」と話す。不審物を見つけた時には、積極的な110番通報を呼びかける。

 サミットが日本で開催されるのは1979年の東京サミット以降、今回で7回目。この間、警察が警戒したり警備したりする場所や施設は徐々に増えていった。

 86年の東京サミットでは、歓迎式典が行われる迎賓館(港区)に向けてロケット弾が撃ち込まれる事件が発生。2000年の九州・沖縄サミットの直前には、米軍横田基地へ飛翔(ひしょう)弾が発射された。この時期、極左過激派などに狙われ、警備の対象になるのはサミット関連施設や米軍関連施設などだった。

 21世紀に入ると、国際情勢の変化などから、01年の米同時多発テロなど国際テロが相次ぎ、テロの対象は広がった。

狙われる「ソフトターゲット」

 05年の英グレンイーグルズ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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