国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の企画展「表現の不自由展・その後」の中止を巡り、芸術祭実行委員会会長を務める大村秀章・愛知県知事が、県のホームページ(HP)に自身の考えをまとめた文書を掲載した。10日付。
大村氏の文書は、企画展について批判している河村たかし名古屋市長への反論。河村氏は、慰安婦を表現した少女像について「政治的中立性と社会の信頼を著しく損なう」、天皇の肖像群が燃える映像などについて、補助金などの「『便益供与』の対象とするにふさわしい『芸術作品』とは到底思えない」と主張している。
一方、大村氏は掲載された文書で、憲法の「思想・良心の自由」「法の下の平等」を挙げ、「公権力は、補助金の交付といった場合でも、こうした基本的人権に反することが許されない」「公的な場であるからこそ、多様な表現が保障されるべきことが、憲法の要請だ」と指摘。「首長としての行為や発言と、個人的な行為や発言とは厳に区別されるべきで、自らの思想や信条をそのまま具体的な職務執行やその要求に直結させることには疑問を持たざるを得ない」と批判している。
愛知県は9月21日と10月初…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル