中古自動車部品の輸出業界で「世界の中心」と呼ばれる場所が千葉県にある。県北部の四街道市だ。国道51号と東関東自動車道が横断し、都心まで約40キロの場所に位置する。ここで誰が、どんなビジネスをしているのか。市内のヤードを訪ねた。
ヤード
自動車などの解体や保管、コンテナ詰めをする作業場。内部の実態が把握しにくく、一部のヤードでは盗難車が不正に処分されたり、外国人が不法就労したりする問題が指摘されている。
銀色の壁の向こうには…
市中心部から3キロほど離れた東関東自動車道沿いの一角に、目的地はあった。鋼板だろうか。銀色の壁で覆われている。周囲に住宅は少ない。車で向かう途中、何度も同じような施設を見かけた。
ヤードに入り、事務所を訪ねると、えんじ色の服を着た大柄な男性が迎え入れてくれた。モハメット・ザカリヤさん(47)。アフガニスタンの少数民族ハザラ人で、現在はトルコ国籍を取得している。1999年の来日以来、千葉県佐倉市や四街道市で中古車部品の輸出ビジネスをしてきた。
「一番売れるのはエンジン。日本のエンジンは良い。性能も良いし、値段も安い」
ザカリヤさんの案内で、3500坪の広大な敷地を歩いた。車から取り出した大量のエンジンがこれでもか、とばかりに置かれている。辺りを見渡すと、真っ二つに切られた車や3メートルほどに積み上がったタイヤが視界に入った。「どんな部品でも役に立たないものはないから」とザカリヤさんが言った。
なぜ、ヤードは千葉県、中でも四街道市に集中するのでしょうか。記事の後半では、専門家にも話を聞きました。
解体した部品はどこから来てどこへ行く
いずれもオークションで仕入れた中古車を解体し、取り出した部品だ。オークションは栃木県小山市などで開催されている。
「自分たちがやっているのは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment