北陸の空の拠点、小松空港(石川県小松市)に3月、貨物の「世界一周便」が復活した。地方空港には珍しい貨物専用便だったが、コロナ禍で途絶えていた。ただ、この間、国内の空港では新たな動きが進んでおり、貨物便をめぐる戦国時代は激しくなりそうな気配だ。
午後3時前。駐機場前が慌ただしくなってきた。貨物を積み下ろしをする特殊車両のメインデッキローダーが到着便を待つ。
現れたのはボーイング747(B747)。旅客機も含めて小松空港を発着する最大の機体だ。1時間かからず積み下ろしを済ませると、午後5時ごろには、米国アラスカ州のアンカレジへと飛び立っていった。
取扱量、コロナ禍で急増・急減したのはどこ?
運航するのは、ルクセンブルクに本社を置くカーゴルックス(CLX)。30機のB747を持つ欧州有数の貨物航空会社で、小松に貨物便を就航させる唯一の社でもある。
小松を発着する週3便のうち2便が世界一周便。ルクセンブルクを発ち、中国や小松などを経由して北米へ。大西洋を渡って3日かけてルクセンブルクに戻る。欧州からは、電子機器や衣類、医薬品などが、小松からは医薬品、電子機器、半導体製造装置、車、飛行機のエンジンなどが運ばれている。
CLXは1994年から就航している。関東、関西、中部にアクセスしやすい小松は「日本の主要ハブ空港」というほど立地は魅力だ。専用貨物エリアもメリットが大きいという。同社の担当者は「大型貨物や温度管理が必要な商品を含むあらゆる種類の貨物に完全に対応できる」と語る。
地元は国際貨物の呼び込みの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル