垣花昌弘
「世界一美しいサル」と言われる希少なアカアシドゥクラングール2匹が、山口県周南市徳山動物園に仲間入りした。国内での飼育は、よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)と徳山動物園の計11匹のみ。新しいサル舎で3日から公開されている。
オス「マニ」とメス「プク」でともに5歳。ズーラシアから7月20日に繁殖を目的に来園した。アカアシドゥクラングールはベトナムなどの熱帯雨林に生息。樹上に暮らし、木の葉や果物が主食。足が赤茶、顔が白など体の部位で毛色が異なる。ベトナム戦争で散布された枯れ葉剤で多くの生息地を失い、数が激減したとされる。
来園時の体重は、マニが6・3キロ、プクが5・3キロ。飼育員の小田原多衣子さん(42)は「だいぶ慣れて餌もよく食べてくれるようになった。繁殖には適齢期なので新しい命が誕生してご覧いただけるようになればと思います」。
新サル舎の床面積は約150平方メートル。事業費約1億円。ロープを枝のように張るなど樹上生活しやすいよう工夫している。このサル舎の完成で同園の「アジアの熱帯雨林ゾーン」の整備は完了する。(垣花昌弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル