吉田博行
徳島県警は19日、徳島県南部と高知県東部を結ぶ第三セクター「阿佐海岸鉄道」の代表取締役専務、南博文容疑者(57)=徳島県海陽町宍喰浦=を偽造有印公文書行使と詐欺の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。
県警によると、南容疑者は昨年6月上旬、自身が経営する広告関連会社と徳島県板野郡の自治体が交わした業務委託契約を巡り、実際の契約金額は約127万円だったのに462万円と偽った契約書の写しを作成。この写しを金融機関に提出し、偽った金額の委託料が融資の返済に充てられると金融機関の職員に信じ込ませ、融資金400万円をだまし取った疑いがある。
阿佐海岸鉄道は昨年末、線路と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビークル)を世界で初めて本格的に営業運行し、メディアで数多く取り上げられている。
南容疑者は今年6月に専務に就任した。県警によると、今回の容疑は南容疑者が同社に採用される前の行為だという。
阿佐海岸鉄道社長で徳島県海陽町の三浦茂貴町長は取材に対し、「DMVを多くの方に利用していただいている中、このような事態になり大変遺憾。今後、警察の捜査に協力するとともに、DMVの運行に支障がないようにしていく」と話した。(吉田博行)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル