中川壮
「たぶんトラウマになってるんです。一生続くと思います」
愛媛県新居浜市の民家で2021年10月、80歳の夫婦と51歳の三男の3人が刺殺される事件があった。
両親と弟を突然失った遺族の男性(56)は、事件後よく眠れなくなった。
事件から2年余りが過ぎた今も、睡眠薬を飲んでも2、3時間しか眠れない夜がある。台所でいすに座って換気扇を回し、暗闇の中でたばこを吸いながら、早朝まで何時間もボーッとしている。
男性の両親、岩田友義さん(当時80)とアイ子さん(同80)、弟の健一さん(同51)をナイフで刺すなどして殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた住所不定、無職の河野智被告(56)に対し、松山地裁の裁判員裁判(渡辺一昭裁判長)は18日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
検察側は、被告が健一さんらから電磁波攻撃を受けていたなどと妄想を抱き、殺害に至ったと指摘していた。
遺族の男性は裁判で、被害者参加制度を使って意見陳述することを希望しかけたが、弁護士と話し合う中で、取りやめた。
「裁判は過去のことばかり…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル