新型コロナウイルスをはじめ、課題が山積する中で安倍政権の支持率が低迷している。一方、中国が香港への国家安全法を適用し米中関係は対立を深めている。日本は尖閣諸島問題などをふまえ今後の日中関係をどう捉え、行動するべきなのか。今回の放送では、石破茂自民党元幹事長をスタジオにお迎えし掘り下げた。
内閣支持率に一喜一憂する必要ない
長野美郷キャスター:
今回の世論調査の結果、どのようにご覧になりますか?
石破茂 自民党元幹事長:
支持率で一喜一憂しても仕方ない。歴代最長のこの政権は何をやるための政権か。総理が言う、外交、憲法、地方創生などにおける戦後レジームからの脱却。そこで支持率だけ気にするのは主客転倒。「これをやるためなら支持率が下がってもいい」ということもあってよい。
反町理キャスター:
外交や内政、例えば憲法や拉致問題など、「支持率落としてでも」と安倍政権が取り組んできたものは?
石破茂 自民党元幹事長:
思い浮かばない。憲法改正の話は支持率に大きくプラスになったとは思わない。今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、元々日本が直面している問題を如実にあぶりだした。人口減少、首都一極集中の危険性、格差の拡大、医療体制の持続可能性など。優先順位を考え議論したほうがいい。
香港への対応は「中国だから」で終わってはいけない
長野美郷キャスター:
新型コロナウイルスが世界で広がる中、香港をめぐる国家安全法が採択され、米中関係が悪化しています。
石破茂 自民党元幹事長:
香港は中国に返還された後も50年間はイギリス植民地であった時期の制度を維持する、という共同宣言がある。しかし返還から20~30年経って、中国は突如それは無効だと言い始めた。これは国際法的な観点から問われて然るべき。国際法を中国に向かって説くのは難しいが、「中国だからね」で終わってはいけない。
尖閣が日本の施政下にあることを示すべき
長野美郷キャスター:
新型コロナウイルスの感染拡大後、中国が尖閣諸島周辺で見せる動きの数字です。
石破茂 自民党元幹事長:
日本が尖閣を実効支配しており日本の施政下になければ、日米安保条約の対象にはならない。侵されているのが日本の国家主権、侵している主体が中国の主権を体現する公船であれば、なぜ警察力が対応するのか。急迫性の武力攻撃ではないから自衛権の対象ではないかもしれないが、一般の警察権の対象でよいのかというグレーゾーン。これには歴代防衛大臣が常に悩んできた。
反町理キャスター:
日本の施政下にあるとアメリカなどに示すには、船を浮かべるだけでいいのか。
石破茂 自民党元幹事長:
尖閣には無人の灯台があり、たぶん太陽光発電によってだと思うが灯台が自動的に機能している。国家が関与していないわけではない。ただ、これが実効支配と評価されるのか。船溜まりを作るなどの議論もあった。また、尖閣ではヤギが異常繁殖して自然の体系が相当変わっており、この環境評価も国際的に必要ではないか。
反町理キャスター:
すると環境省の仕事になる?
石破茂 自民党元幹事長:
そこで環境省なのかという話はあるが、いずれにせよ気象観測により国際的に寄与することが重要。日本の行動が突如として剣呑になるのはよくない。今から国際的な理解をどう求めるか。なにかあったときに議論するのではよくないし、尖閣は日米安保の対象だからよかった、というような楽観主義もよくない。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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