経済産業省から「スーパークリエータ」の認定を受け、31歳の若さで東大特任准教授に就任していた大澤昇平氏が、自身が経営する会社で「中国人は採用しない」などとツイッターに投稿したことから、東京大学が謝罪するという事態となりました。大澤氏はこのほかにも、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者である故・金子勇氏を「犯罪者」と罵り、「(Winnyの開発には)中国共産党が関与している」などトンデモ発言を繰り返してきましたが、大澤氏とはどのような人物なのでしょうか。
19歳で「スーパークリエータ」31歳で「東大特任准教授」
大澤氏の経歴は非常にユニークです。通常の入学試験を受けて大学に入るコースではなく、工業高等専門学校から筑波大学に編入、さらに東大大学院に進学しました。19歳の時に経済産業省から、極めて優れた能力を持ち「末恐ろしさを秘めている」(認定基準の一部)人材に与えられるスーパークリエータの認定を受けて起業し、今年4月、東京大学の特任准教授に31歳の若さで就任しました。
ところが、大澤氏は自身のツイッターで「弊社Daisyでは中国人は採用しません」「そもそも中国人って時点で面接に呼びません。書類で落とします」「資本主義の文脈において、パフォーマンスの低い労働者は差別されてしかるべき」などヘイト発言を連発。これが問題視され、東京大学は「不快に感じられた皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪文をWebサイトにアップしました。
「AIが適合し過ぎた結果」ツイッター上で謝罪
東京大学は国立大学ですので、いかなる理由があれ、大学の教官が人種による職業差別を助長する発言や、人権を侵害する発言を行うことは許容されませんから、これは至極当然の対応といってよいでしょう。しかし、当事者である大澤氏は「ある企業が「新卒採用では大卒しか採用しない」と発表したところで、それが高卒全体の集合がホロコーストに逢う危険を助長していると言えるでしょうか」「(差別扇動であるとの指摘に対して)風が吹けば桶屋が儲かるくらい論理的な飛躍が大きい」と反論。さらには、同氏の専門分野であるAI(人工知能)分野における「醜いアヒルの子の定理」(純粋に客観的な立場から見ると、どのようなものを比較しても同程度に似ているとしかいえないというもの)を引き合いに、自らのスタンスに問題がないと主張しています。
大澤氏がどのような価値観を持っているにせよ、国民の税金で運営している大学の教官である以上、大学とは無関係の発言という同氏の主張は説得力を持たないでしょう。
この発言には批判が殺到しているほか、同氏の講座への寄付が停止されましたが、これらを受け大澤氏は12月1日、謝罪のツイートを投稿しています。それによると、一連の差別発言は「限られたデータにAIが適合し過ぎた結果である「過学習」によるもの」「独裁への抗議」だったということです。
(The Capital Tribune Japan)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース