岡野翔 仙道洸
奈良地裁に不審な段ボール箱が届いたとして、安倍晋三元首相への殺人などの罪で起訴された山上徹也被告(42)の12日の第1回公判前整理手続きが中止になった問題で、荷物を送ったという差出人が13日、朝日新聞の取材に応じた。「中身は被告の減刑を求める署名などで、妨害する意図はなかった」と話した。
東京都内に住む差出人(59)によると、昨年7月の事件後、被告の生い立ちに同情し、署名サイトで減刑を求める賛同者を募った。6月11日までに1万3千人超の署名が集まり、公判前整理手続きに合わせて地裁に送ることを思いついたという。
署名とコメントをそれぞれA4用紙に印刷。裁判官、検察官、弁護団、被告宛てに4セット用意し、八つの封筒に分けて入れ、段ボールに詰めて12日午前着指定の宅配便で送ったという。封筒は一つ、3~4センチの厚さになった。
段ボールは開封前に地裁の金属探知機に反応し、危険物の可能性があるとして職員らが一時、屋外に避難した。県警は爆発物処理班を派遣し、安全を確認した。差出人は「なぜ反応したかわからないが、被告や弁護団、裁判所にいた人たちに迷惑をかけ、申し訳なかった」と話した。
奈良地裁は金属探知機が反応したことについて、「原因不明」としている。次回期日は「お答えできない」という。(岡野翔、仙道洸)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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