「九大生体解剖事件」の資料どこへ 当時の医学生遺族が活用を希望

 太平洋戦争の末期、日本軍の捕虜になった米兵8人が福岡市の九州帝国大(現・九州大)で人体実験の末に殺害された「九大生体解剖事件」。現場に居合わせた最後の生き証人が残した資料が大分県宇佐市教育委員会によって分類・整理され、報道陣に24日、その結果が報告された。

 1945年5~6月、撃墜された米軍爆撃機B29の搭乗員8人が日本軍の命令で九州帝国大に運ばれた後、臓器摘出など実験手術をされて全員死亡した。日本軍将校や同大教授ら30人が戦犯として起訴され、23人が有罪に。遠藤周作の小説「海と毒薬」の題材にもなった。

 2021年4月に95歳で亡くなった元医師の東野(とうの)利夫さん=福岡市=は事件当時、医学生になったばかりで、解剖の始終を目撃した。戦後、自身は訴追を免れたが、恩師の教授らに有罪判決が下る。産婦人科を開業する傍ら、関係者を訪ね歩き、著書にまとめて刊行したりした。

 東野さんの遺族は、残された…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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