松本英仁
小さな車輪が付いた事務用いすに座り、2時間にわたって足でこいでコースを周回した距離を競う「いす―1(ワン)グランプリ」が7日、北海道千歳市の商店街であった。商店街の夏祭りの目玉企画の一つで、新型コロナによる中止をはさみ6回目の開催。山形、東京、京都に加え、ベトナム国籍を持つグループなど18チーム計54人が、交代で過酷な耐久レースに挑んだ。
主催者によると、京都府京田辺市の商店街が発祥とされ、商店街や地域の活性化を目的に1年に全国十数カ所の開催が予定されている。
チームは高校生以上で男女や国籍は不問。1チーム3人以内で走者の交代は自由だ。事務用いすは背もたれのある市販品で、改造は禁止。1周150メートルのコースを2時間ぶっ通しで周回する。
千歳のコースは雨水の水はけのため路面に凹凸があり、滑らかに進めない「全国屈指の難コース」という。座ったまま後ろ向きにこぐのが最も速度が出るとされ、ふだん使わない筋肉を酷使し、相手チームとの駆け引きやいすの故障などとも戦う肉体的、精神的な強さも要求される。参加資格には「最後まであきらめない熱い想いを持っている」とうたう。
優勝は千歳市のランニングクラブで、同じ130周ながらわずかに着順差で、7月の岩手県・江刺大会との2大会連続優勝を狙った京都府の運輸会社チームをかわした。来年3月に京田辺市で開かれる全国大会に出場する。(松本英仁)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル