五輪のメダルラッシュにわく東京都で27日、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多の2848人となった。4度目の緊急事態宣言から2週間。収まらない感染拡大を、街の人々はどう受け止めるのか。
渋谷駅前にあるビル壁面の電光掲示板。「過去最多」のニュースが表示された直後、メダル獲得のニュースに切り替わっていく。
「ヤバい。今までより増え方がえぐい」。千葉市から通勤する女性会社員(20)は、こう驚いていた。日を追うごとに在宅勤務が形骸化し、電車が混雑するようになったと感じる。「五輪でお祭りムードなのに『感染防止のため我慢を』というのは無理があったんじゃないか」と言う。
渋谷区に住む男性会社員(33)も「いつかこうなると思っていた。『頑張っても感染者数は減らない』と、みんな諦めているんじゃないか」と話した。
時短営業となってから、多くの飲食店は午後7時~8時の時間帯、夕食にありつこうとするサラリーマンで満席だという。「宣言も4回目。みんな慣れてきている。これ以上の我慢はできないと思う」。若年層にワクチン接種が浸透するのはまだ先と考えている。「若者に優先的に接種させるという話もあったけど、今は五輪一色ですよね……」
「五輪だけ特別扱い」の声も
過去最多のこの日の感染者の半数以上は、20~30代。世田谷区に住む会社員の女性(22)は「また若者が悪者にされるのかな」とため息をつく。五輪による人の動きを念頭に、「私たちは旅行や帰省を1年以上我慢しているのに、五輪だけ特別扱いは納得できない」と不満を口にした。
「まさかこんなに増えるなん…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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