コロナ下での東京五輪・パラリンピック開催で、医療現場の負担が増すことへの懸念が強まっている。競技会場がある首都圏の知事たちは、選手向けの病床確保に難色を示し、医療従事者からは中止を求める声が上がる。専門家は開催可否の判断基準を示すべきだと訴える。
「今は病床に余裕はあるが、仮に県民か選手かの選択を迫られるような状況で、選手を優先することはなかなか認められない」
サッカー会場がある茨城県の大井川和彦知事は12日の定例会見で、選手用の専用病床の確保は困難との考えを強調した。8競技が行われる千葉県の熊谷俊人知事も13日の会見で、選手専用に確保する考えはないと明言した。
大会組織委員会は当初、選手らのけがや病気に備えて都内に約10カ所、都外に約20カ所の指定病院を設ける予定だった。だが、コロナ下で病床が不足するなど、一部の病院との調整が難航している。
現在の計画では、競技会場や選手村にある診療所や医務室で対応できない場合、指定病院でまず診察してもらうことを想定。重度のけがを負ったり、新型コロナの陽性が確認されたりして入院が必要な場合、指定病院に病床があれば受け入れてもらうが、困難な際の受け皿については都や自治体と協議中という。
知事らの懸念について、組織委の武藤敏郎事務総長は、「あらかじめ専用の病床を空けて欲しいとお願いしているわけではない」と、地域医療に負担をかけない考えを繰り返した。東京都の小池百合子知事は14日の定例会見で「(組織委の)伝え方によるかと思います。(各知事とも)対応をしっかりされると期待しております」と話した。
「観客感染したら……早く無観客決めるべき」
医療従事者の確保も課題だ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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