京都造形芸術大が校名を「京都芸術大学」(京都市左京区)への変更は大きな混乱を招くとして、京都市立芸術大(同市西京区)が京都芸術大学を運営する学校法人「瓜生山(うりゅうやま)学園」に名称の使用差し止めを求めた訴訟の判決で大阪地裁(杉浦正樹裁判長)は27日、請求を棄却した。瓜生山学園が「京都芸術大学」を使用することが認められた。 市立側が昨年9月、名称使用差し止めを求め同地裁に提訴した前代未聞の校名変更バトル。非公開での審理が続いていたが、判決が言い渡された。 訴状などによると、瓜生山学園は21年に開学30周年を迎えることから、20年4月に校名を変更することを決定。今年4月には予定通り、「京都芸術大学」に名称を変更した。 これに対し、日本で最も長い歴史を持つ芸術系学校の市立は、市民らから長年「京芸」「京都芸大」「市芸」などと呼ばれて親しまれており、「本学の名称や略称と同一あるいは酷似している」と主張。「京都芸術大」の名称は、長年の事業活動などにより周知されたもので、類似表示の使用を禁じた不正競争防止法の著名表示にあたると主張してきた。 公判では、市立の知名度が争点の1つとなった。法廷で市立側は「われわれは伝統のある大学だと思っている。全国的に名前が知られていることを明らかにしていく」とした。 一方で瓜生山学園側は「著名性は認められない」と反論。略称についても「正式名称に著名性が認められない以上、略称が著名となる余地はない」と主張。「法的には問題ない」として、請求の棄却を求め、争う姿勢を示していた。
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