「人生100年時代」という言葉には、前向きな響きがあります。でも大勢が長生きしながら、「死」へと歩む社会には、想像以上に厳しい現実が待ち受けているのではないでしょうか。
「死の規制緩和」議論の時(宗教学者・山折哲雄さん)
「人生100年時代」という言葉には直感的な反発を覚えました。戦後40年で50年から80年になった人生が、医学の進歩であっという間に90年、100年に延びた。そのことの明るい面ばかり語る意見が多いからです。
現実には、ひとりきりや寝たきりの高齢者、認知症を患う人などがどんどん増え、介護、看護の施設やそれに携わる人が絶対的に足りなくなっている深刻な事態です。
私は昨年88歳を迎えました。数年前に不整脈が原因の脳梗塞(こうそく)で倒れ、一命を取り留めたこともあり、人生の最晩年をどう生きるか、どう死んでいくかは、私自身が直面する問題でもあります。
周囲の老人からは「そろそろ向…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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