大阪府堺市の永藤英機市長は22日、世界文化遺産に登録された百舌鳥(もず)古墳群の大山(だいせん)古墳(伝仁徳天皇陵)西側で計画していた展望施設(ガイダンス施設)の建設を中止すると発表した。永藤氏は、政治資金問題で辞職した竹山修身・前市長時代からの全事業の見直しを進めており、その一環。
大山古墳は長さ486メートルの国内最大の前方後円墳で、三重の堀と堤に囲まれ、敷地外からは全容が見えない。展望施設は3階建て延べ床面積3800平方メートルで、高さ8メートルの展望デッキを備え、大山古墳の墳丘の稜線(りょうせん)が堤越しに見えるようにする予定だった。
大阪維新の会公認で今年6月に就任した永藤氏は、26億円の施設整備費を問題視。大山古墳を上空から眺める気球を飛ばす検討も始めたことから、展望施設を新設する必要はないと判断した。
永藤氏はこのほか、南区で計画してきた児童自立支援施設(整備費35億円)の建設も中断するとした。
永藤氏は、大阪府と大阪市が設置している「副首都推進本部会議」に今月27日から参加する意向も表明した。
同会議は維新が掲げる大阪都構想も議題の一つだが、「今任期で都構想の議論はしない」としてきた永藤氏は記者会見で「(都構想が議題の時は)議論に加わらない」と述べた。(加戸靖史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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