「今しかない」とっさにつかんだ盗撮犯の腕、警官志望の女子大学生

屋代良樹

 盗撮の容疑者をつかまえた女子大学生(22)に、京都府警東山署から感謝状が贈られた。過去の悔しさが果敢な行動を後押しした。

 6月4日夜、大学生は京都市営地下鉄・三条京阪駅で電車を待っていた。

 約1メートル先で男がしゃがみこんでいた。男の前には長いスカートをはいた女性がいた。男はスカートをめくり、スマホを差し入れていた。男はしばらくすると立ち上がり、エスカレーターに向かって歩き出した。

 「盗撮だ」。大学生は男を追った。

 中学生の時の痴漢被害が心に引っかかっていた。バイクに乗った男に体を触られた。警察に相談したが、犯人は捕まらなかった。悔しくて、同じ場面に遭遇した時のためにイメージトレーニングをしてきた。

 大学生は男に追いつき、腕をつかんで言った。「盗撮していましたよね」。スマホの画像や動画が消されないよう、男からスマホを取り上げた。

 通報で駆けつけた東山署員が男を逮捕した。署によると、大津市の会社員(28)で、容疑を認めたという。スマホからは盗撮とみられる動画が見つかった。

 福見竜也・東山署長は「勇気のある行動。感謝している」とたたえた。

 大学生の夢は刑事になること。今回のことでなりたい思いがさらに強くなった。大学生は言う。「被害に遭って怖い思いをしている女性は多くいる。そんな女性たちに寄り添いたい」(屋代良樹)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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