宮沢崇志
兵庫県警所属の警察犬クレバ・フォム・フンデ・シューレ号(オス4歳、ジャーマンシェパード)には過去がある。行方不明者の捜索中に逃げ出し、2日後に保護された。それから2年半。今では行方不明者発見の実績を重ねている。
6月3日深夜、県警加西署から警察犬派遣の要請があった。80歳の女性の姿が見えないという事案。当番だったクレバ号と、一昨年3月からコンビを組む辻理仁警部補(42)が現場へ向かった。
自宅周辺から捜索を始めた。草むらでにおいをかぎ始めたクレバ号は、進んだ先で靴とカバンを発見。女性の自宅から500メートルほど離れた溜(た)め池近くでしっぽを振り始めた。そこには、体の一部が水につかった状態で倒れている女性がいた。発見は4日午前1時11分。低体温状態だった女性は病院に搬送され、2日後に退院した。
辻警部補とクレバ号には27日、大戸英治・加西署長から賞状とジャーキーが贈られた。
「逃走事件」の後にコンビとなった辻警部補は、クレバ号を「元気いっぱいで明るい犬。訓練への意欲も強い」と評する。賞状贈呈でやや緊張するクレバ号の首筋や耳の周りをなでながら「訓練通りやってくれた。今度は事件でも貢献していこう」と話しかけた。(宮沢崇志)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル