痴漢はさまざまな犯罪類型のなかでもとりわけ再犯率が高いとされる。いけないとわかっていても抑えられず、懲役刑を受けても出所後に再び犯行に及ぶ事例は少なくない。懲役刑を7回受け、「性嗜好(しこう)障害」と診断されて5年前から治療に取り組む横浜市内の男性会社員(51)が取材に応じた。
「痴漢をしてるときは、その瞬間のことしか考えられない。捕まってもいいや、行為が継続できれば、と思うこともあった」
痴漢を繰り返していた時期の心境を、男性はそう振り返った。
初めて痴漢をしたのは高校2年の時。電車内でスーツ姿の女性の体に手の甲で触れた。「ばれるかもしれない」「警察に捕まるかも」。緊張感と、触れることができた興奮が入り交じった。
緊張感はやがて薄れた。専門学校に進学すると、通学途中で混んでいる車両を選んで乗り込み、痴漢を繰り返した。就職する時は、混んでいる電車に乗るため東京方面の会社を探した。21歳の時には路上で女性を襲い、強制わいせつ致傷容疑で逮捕された。
留置場では反省や後悔もあったという。だが執行猶予付きの判決を受けて釈放されると、その気持ちは薄れた。判決確定後、1カ月も経たず再び痴漢をしていた。
「路上で襲うのはやばい」と…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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