非常に強い台風10号は、今後、猛烈な勢力まで発達し、5日夜から6日午前中にかけて沖縄地方に接近、6日から7日にかけて奄美地方から九州に接近または上陸するおそれがある。気象庁は「特別警報級の勢力」「広い範囲で甚大な影響を受けるおそれがある」と説明しているが、具体的にどのような被害が考えられるのだろうか。
2019年の「令和元年房総半島台風」を上回る暴風か
2019年に房総半島を中心とした各地で甚大な被害を引き起こした「令和元年房総半島台風(台風15号)」。千葉県市原市のゴルフ練習場の鉄柱が倒壊したり、長期間にわたり停電の期間が続き、電力施設の被害によって大規模に長期停電が起こったことを覚えている人も多いだろう。 この台風では、伊豆諸島の神津島(東京都)で最大瞬間風速58.1メートル、千葉市中央区で同57.5メートルを観測するなど、関東地方を中心に19地点で最大瞬間風速の観測史上1位の記録を更新している。 しかし、今回の台風10号に関して気象庁が4日午前に発表した暴風の見通しによると、沖縄・奄美地方で最大瞬間風速70~85メートル、九州南部で同55~70メートル、九州北部でも同30~40メートルだという。房総半島に甚大な被害をもたらした昨年の台風をはるかに上回る強い風だ。 これだけ強い風が吹くと、屋外での行動は危険以外の何物でもない。また、停電や通信障害で、情報を入手することも困難になることも考えられる。
2019年の令和元年東日本台風のような水害の可能性も
令和元年房総半島台風の約1か月後に日本を襲い、東日本の広い範囲に記録的な大雨をもたらし、多数の河川氾濫や土砂災害を引き起こした「令和元年東日本台風」。この台風では、死者・行方不明者102人、住家の全壊・半壊3万棟以上という被害を出した。 台風10号の進路次第ではあるが、気象庁の杉本悟史主任予報官は「あれほどの範囲ではないだろうが、九州、四国などでは大雨によって同様の被害が生じる可能性がある」と話しており、4日午前に行われた気象庁・国土交通省の緊急合同記者会見でも、同省の高村裕平河川環境課長が「九州南部(鹿児島、宮崎)においては、国管理河川のような大河川でも氾濫するおそれが高まっている。場合によっては、河川の能力を超えるような雨量も予想されており、極めて厳しい状態になる」などと説明した。 河川の水位は大雨のピークが過ぎた後でも上昇することも忘れないようにしたい。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース