構成・阪本輝昭
大阪・難波を拠点とするアイドルグループ「NMB48」が10月、結成11周年を迎えた。気軽に「会いに行ける」ことをコンセプトとした活動は、この1年半あまり、コロナ禍で大きな制約を受けてきた。新たなアイドルとファンの関係性をどう築き、12年目に向けてどんな活動に力を入れていくのか。活動7年目に入ったメンバーの安田桃寧さん(20)に聞いた。「NMB48のレッツ・スタディー!」番外編としてお届けする。
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コロナ下で見つけた「自分の強み」
――「レッツ・スタディー!」で小論文(3回分)を担当していただいたのが2019年暮れから20年初めにかけてでした。
安田 その後ぐらいにコロナ禍があり、いろいろなことが激変しました。ずいぶん昔のように感じます。小論文を通じて、自分の気持ちや考えを徹底的に見つめ直す練習をしたことが、この間、「自分は何をしたいのか、どうすればいいのか」を考えるうえで役だったと思います。
大変だったことを挙げればきりがありません。例えば劇場公演やライブでのMC(トーク)。ふだんは客席からの笑いの多さや掛け声の有無などで反応を探りながら進めていました。声出しNG、お客さんもみんなマスクとなってからは、客席からの声は聞こえず、表情も見えないという状況で、本当に真っ暗な中を手探りで歩いているような日々でした。いま、ようやく感染状況も落ち着きをみせはじめていますが、緊張感は解けません。「新しい日常」のなかで、私たちアイドルの活動も新しいスタイルでの活動に挑戦し続けていきたいです。
一方、得意の「料理」を生かした動画配信など、コロナ下だからこそ見つけられた自分の強み、自分なりのファンへの感謝の表し方というものもあります。決して全てを後ろ向きにはとらえていません。
「表情づくり」にかけてきた
――「強み」という部分を、もう少し詳しく。
安田 私は「アイドルは表情である」と思ってきました。何かを表現するときに、顔の表情で表現する、体の動きで表現する、もしくは全身で表現する――いろんな方法がありますが、私が初期からずっと心がけてきたのは「表情づくり」です。尊敬する卒業生の渡辺美優紀さんへのあこがれもありました。ファン一人ひとりへの応対が丁寧で、「神対応」と呼ばれた先輩ですが、そのなかでも視線の配り方、表情のつくり方など、表現者としての部分も抜きんでていました。
「目を奪う」という言葉があ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル