「会話をする勇気を」高齢ドライバー免許返納へ提言(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。6月6日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎さんが、相次ぐ高齢ドライバーの交通事故の対策について意見を述べました。

◆東京で87歳、福岡で81歳が……

今年4月、東京都・池袋で87歳男性が運転する乗用車が暴走し、12人が死傷、母子2人が犠牲になった痛ましい事故をきっかけに、高齢者の運転や運転免許証の自主返納について、関心が高まっています。今月4日(火)にも福岡で、81歳男性の運転による死亡事故が起きてしまいました。

高齢ドライバーの交通事故について、竹下さんは「超高齢化社会を迎える日本にとって、とても深刻な問題。これから先もずっと、この問題は起きると思う」と危機感を募らせます。

必要な対策としてテクノロジーの進化や法律の整備を挙げつつ、最も声を大にしたのは免許返納についてしっかりと会話をすること。「家族が勇気を出して『おじいちゃん、おばあちゃん、そろそろ運転をやめようか。免許を返そう』と言う、この一言が大事」と話します。

◆代替手段の必要性

自身の祖父は90歳頃まで車を運転していたそう。大好きな祖父の尊厳を傷つけたくないという思いから「そろそろ運転をやめようよ」とさりげなく伝えたところ「馬鹿にするな。年寄り扱いするんじゃない」と一蹴されたそうです。当時を振り返り「面と向かって座って、『これから免許返納についての話をします』と、もっとはっきりと言うべきだった」と反省の思いを口にします。

高齢ドライバーが免許返納すれば問題が解決するかと言えば、必ずしもそうではなく、免許返納後の生活に支障が出ないための代替手段なども必要となります。

竹下さんは「都市部は交通機関が多いので大丈夫だと思うが、地方は足がないと大変。特に公共交通機関は、自治体が税金でまかなっているので苦しい状態。バスも路線を減らすところも出ている」と現状を語ります。

テクノロジーの進化や法律の整備などの対策と並行して、代替手段に取り組まなければ「(移動の足がなくなることで)高齢者が引きこもったり、外に買い物に行けない、人と交流しなくなる、孤独死など、新たな問題につながってしまう」と案じます。

ハピキラFACTORY代表取締役の正能茉優さんも、自身の祖父母が運転することに心配な思いがある反面、「(免許返納を促して)『で、どうするの?』とならないように『その代わりに、これに乗ってね。これを使ってね』という具体的な選択肢がないと、家族側も免許返納の話をしづらいと思う」と同意します。

◆東京都は急発進防止装置の補助金導入

竹下さんは「2度とこのような事故を起こしてはならない」と強調しつつ、打開案の1つとして、アメリカで急成長を遂げた配車サービス大手「Uber(ウーバー)」の誘致を挙げます。

地方では個々人でマイカーを所有している世帯も多く、車が余っているケースも。「若者が、空いている時間に高齢者を乗せて買い物に連れて行くなどして、報酬をもらう。その形が取れれば、若者がこれからの日本の高齢者を支えていくというメッセージになる」と力説。「民間のビジネスで解決するというのも1つの手。予算に応じて、補助金を出すのもいいと思う」と提案しました。

東京都は4日、高齢ドライバーによる交通事故が相次いでいることを受け、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防止する装置の購入費用の一部を補助する方針を打ち出しています。MCの堀潤は「ぜひ検索してみてください」と紹介しました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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