「伝えたい」 思いは同じはずなのに 短歌と見出しの違いに悩む

 「舞いあがれ!」は、言葉の魔法がかけられたドラマだ。

 いま放映中のNHKの連続テレビ小説は、3月31日に最終回を迎える。メインで脚本を手がける桑原亮子さんは、歌人としても知られる。

 彼女の筆が紡ぎ出す繊細なセリフに、毎朝癒やされ、胸を打たれている。

 特に、ヒロイン舞(福原遥)の幼なじみで、伴侶となった貴司(赤楚衛二)の短歌が、この物語にぐっと深みを与えている。

 《君が行く 新たな道を照らすよう 千億の星に 頼んでおいた》

 貴司が舞に送ったこの歌が、実は万葉集にある激しい恋心の歌の本歌取りだったことを知ったときには、「五・七・五・七・七」の31文字で描かれる世界の奥深さを、改めて気づかされた。

 デジタル記事配信に携わっている立場としては、アクの強い編集者の登場もあって、創作や表現について考えさせられることも多い。

 「売れなければ世の中に知られない」と広言する彼らの存在が、心の奥深いところを描く短歌の世界を逆にくっきりと浮かび上がらせているように思う。

 桑原さんとはどんな人なのか。

 朝日新聞のこれまでの記事な…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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