太陽光発電施設で電線が盗まれる被害が多発している。電線に使われる銅の価格高騰に加え、監視員らが常駐していない隙を狙われたとみられる。愛知県警は所有者に防犯対策を呼びかける。
知多半島南端の愛知県南知多町内海(うつみ)にある発電施設。「びっくりというか腹が立つというか……。何でこんな所にまでと思った」。6月に被害に遭った50代の所有者の男性は憤る。直径約3センチの電線12本が根元から切られ、約30メートルにわたってなくなっていた。
約1ヘクタールの広さに1500枚の太陽光パネルを置いている。周囲に人家はなく、一般道から狭い脇道を抜けた山中にある。
盗まれたのは、電気を変換するパワーコンディショナーと呼ばれる装置につないだ電線。また、パネルと別の設備をつなぐ直径約2センチの電線40本も30メートルにわたって盗まれた。電線を中に通していたパイプが掘り起こされ、有刺鉄線のフェンスも切り取られていた。
男性によると、6月18日午後10時、この施設が停電したことを知らせるメールが届いた。犯人がブレーカーを切ったためとみられるが、男性は故障だと思った。翌朝、被害に気付いた。別の所有者の近くの発電施設も被害に遭ったという。
防犯対策は自腹
稼働して8年。同町と武豊町で計4カ所の発電施設を持つが盗難の被害は初めて。修理に470万円かかる見込み。4カ所で年200万円払っている保険でまかなう予定だが、新たに設置するセンサーライトなど20万円以上かかる防犯設備は自腹だ。
男性は「(犯人は)事前に下見に来ていたのか、地図アプリで検索して見つけたのか分からないが手慣れた手口だと思う。面倒だが防犯対策はしないといけない」と話している。
金属を盗まれる事件は全国で…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル