「何も終わっていない」知床事故、追悼式に寄せる家族らの思い

 北海道斜里町沖で発生した観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の沈没事故から1年となる4月23日に、犠牲者の追悼式を開くことになった。地元住民や被害者の家族らはその日に思いをはせるが、いまだ6人の行方がわからず、事故の捜査や原因調査は続く。

 1月31日、斜里町内で「4・23 知床遊覧船事故被害者追悼式 実行委員会」が開かれた。この日は最初の会議。町や地元の商工、観光、漁業関係者らが出席した。

 「ご家族などと相談しながら進めたい」との委員会側の方針で、会議は冒頭から非公開で進められた。

 地元関係者らによると、この日の会議では、式を町と実行委員会が共催することを決めた。参列者は約150人を想定。カズワンの運航会社「知床遊覧船」の関係者ら当事者の参列は見送られる予定で、慰霊碑の建立は追悼式後になる見込みという。

 委員会では、犠牲になった人たちに追悼の意を示すことに加え、同じような事故を二度と繰り返してはいけないという決意を示すことを目的に掲げる。事故1年を単なる節目ではなく、風化を防ぎ、原因究明や再発防止を徹底する契機にしたいという。

 それだけに、追悼式に対する地元関係者らの思いは強い。

「家族に言われた声が忘れられない」

 漁業関係者の男性は「これだ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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