【動画】北海道・知床半島沖の観光船沈没事故では、漁船などの民間船舶も捜索に協力している。民間船の専従捜索の最終日となる5日朝も、次々と漁船が事故周辺海域へと向かった。
上空を飛び回るカモメの鳴き声が、轟音(ごうおん)にかき消された。西日が差す北海道・斜里町のウトロ漁港に、捜索に出ていた漁船が1隻、また1隻と戻ってきた。
5日夕。地元のウトロ漁協などでつくる組織「斜里救難所」で救難活動を指揮する救助長、米沢達三さん(68)は、港に戻ってきた漁船に飛び乗り、係留作業にかかった。
「大変だったな」。声をかけると、漁船の漁師は「何も見つからなかった」と疲れた様子で答えた。漁師でもある米沢さんは、静かにうなずいた。
12日前の4月23日、この港を出た観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没。翌日から続いた地元漁協による大規模捜索は、5日で一区切りとなった。
「行けそうにない」苦渋の決断したあの日
「カズワンがカシュニの滝付近で航行不能になっている。エンジンも止まってしまった」
米沢さんが、ウトロ漁協の職員からそう伝えられたのは23日午後1時半ごろ。漁協関係者の会議を終え、漁業と兼業で経営する町内のガソリンスタンドで一息ついていると、職員が車で駆け込んできた。
乗員・乗客は計26人だと聞…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル