住宅地が広がる大阪・北摂。キタやミナミなどの大阪市中心部と1本で結ぶ北大阪急行線(北急)の延伸の完成が、思わぬ地中の「伏兵」の登場で、2023年度まで3年も先延ばしになった。マイホームを買った人たちや、キャンパスの移転の準備を進める大阪大学は頭を抱えている。(古田寛也)
「何やこれ」。2017年夏、1970年に開業した千里中央駅(大阪府豊中市)の当時の資料を調べていた北急の社員が、見慣れない写真を見つけた。
工事中の駅舎を囲むように造られた鉄枠が写っていた。枠には木の板が隙間なく挟み込まれている。工事現場に周りの土砂が流れ込まないようにする「土留(どど)め壁」だった。
さっそくボーリング調査をすると、延伸に伴うトンネル計画のルート上に実在することが確認された。壁の全容は明らかでないが、厚さが30~40センチあり、少なくとも深さ十数メートル、幅約14メートルはありそうだった。
この土留め壁の上には現在、ショッピングモールがある。地面を支えながら、少しずつ解体していくしかなく、その工事だけで約1年半かかる見通しだ。
どうして、こんな大きな壁の存…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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