「何歳ですか?」 聞いて聞かれて、年齢で輪切りにされる社会とは

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くらし報道部・科学みらい部次長 岡崎明子

記者コラム「多事奏論」 岡崎明子

 2日前に誕生日を迎えた。今年は小学校高学年の娘が初めて、私の実年齢を知って祝う家族の誕生会だった。

 「これまでずっと黙っていたの?」というツッコミの声が聞こえるが、言い訳をすれば、私は出産が遅く、大概のママ友に比べると年上だ。子どもは小さいころは「うちのママ、何歳なんだ」と周囲に屈託無く言う。その年齢がママ友に伝わった瞬間、敬語を使われるのが嫌だったのだ。実際に妊娠中、そういう経験をして傷ついたことがあった。

 さすがにここ数年は、娘も疑問に思うようになり「ママは何歳?」と聞かれることが増えた。でも「今さら言えない」という状態が続いていた。

 私たちの身の回りには、年齢を意識させられる場面があふれている。たとえば社内外でよく聞かれる「入社は何年ですか?」。あからさまに「何歳ですか」と聞かなくても年齢が推測できる便利な質問だ。

 そもそも新聞記者の仕事は、年齢とは切っても切れない関係にある。新人記者はまず、取材相手の年齢だけでなく、生年月日を確認するようたたき込まれる。取材時と掲載時で年齢が異なる可能性があるからだ。事実確認の訓練という側面もある。

 新聞記事に年齢があった方がいい理由はいくつもある。報道は事実を客観的に伝える役割があること、年齢がその人の背景の理解に役立つこと、「自分と同世代だ」と興味を持つきっかけとなることなどだろう。

 だからずっと「年齢を確認す…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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