朝8時半、ママチャリの前と後ろに次男と長男を乗せ、大阪市の女性は重いペダルをこぎ出した。
15分かけて到着した保育園で、2人を降ろして園内へ。長男の支度を調えて、保育士に一声かけると、次男とともに再び自転車に乗った。
再び自転車を走らせて15分。ようやく次男の園が見えてきた。
女性がひとり家に着くころには、10時近くになっていることも珍しくない。雨の日には更に時間がかかる。
2人の子どもを育てるシングルマザーの女性はこう話す。
「待機児童が減ったと言われても……。選べない、というのは聞いていたけれど、それって、やっぱりおかしくないですか」
女性はこの春、ようやく次男を保育園に入れることができたが、きょうだいで別々の園になってしまった。
求められる物品購入、思わぬ出費に自分の食費を…
負担は送迎だけではない。
女性は「私のように困っている人が減ったわけではないと思うんです」と話し、次男の入園説明会で衝撃を受けた出来事を打ち明けた。
今春の待機児童が調査開始の1994年以来、最少となる2944人だったと厚生労働省が8月に発表した。社会問題化した待機児童は一定程度、解消したかに見えるが、現場をつぶさに訪ねると、従来の保育施策のほころびや矛盾が随所に見えてくる。 まずは、待機児童にカウントされない保護者の声から聞いていきたい。
「これを、来月までに購入し…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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