「修学旅行は全員海外」で賛否の東京・港区 教育長に聞いた狙い

 東京都港区は2024年度から、全10の区立中学校の修学旅行をシンガポールで実施する。全公立中の修学旅行を海外で実施するのは、都内では初めて。区は「異文化を体験して国際理解を深めることが狙い」などとしている。

 海外での修学旅行は23年9月に武井雅昭区長が発表。同月の区議会では区議から意義や必要性を問う質問も出たが、関連費用が盛り込まれた補正予算案が可決され、実施が決まった。

 区によると、最初の対象となる24年度の中学3年生は約760人で、6月から9月ごろに3泊5日の日程で実施する。具体的なプログラムは検討中だが、現地の生徒との交流などを予定しているという。

 旅行代の家庭負担額は、京都や奈良で実施していた従来と同じ水準の7万円程度に抑える。このため区は、1人当たり約50万円を補塡(ほてん)し、事業費は約5億1千万円に上る見通しだ。

 区は今後、事業者を募集し、学識経験者らによる選考を経て、24年1月までに契約を締結する予定だという。(滝沢貴大)

なぜ「全中学校」なのか プログラムの内容は 教育長に聞きました

 港区の浦田幹男・教育長に、海外での修学旅行を実施することにした理由や意義を聞いた。

 ――海外での修学旅行を実施することに決めた経緯は。

 港区はこれまでも国際理解教育に力を入れてきました。文部科学省から教育課程特例校の認可を受けて区立小学校に国際科を設置したり、夏休みに小中学生を海外へ派遣したりして、英語でのコミュニケーション能力を育成してきました。

 そうして培った能力は、実際に海外で使うことで将来に生きるのではないかと考えました。「学年全員で」となるとカリキュラムの関係もあるので、修学旅行を兼ねる形にしたというわけです。

 もちろん全員が同じことを感じなくてもいい。将来英語を使わない人もいるでしょう。それでもねそれぞれが現地で色々なことを感じて、自分なりに考えて、「国際感覚」を身につけて将来に役立ててほしいと思っています。

 ――「全中学校」で実施する理由は。

 これまでの海外派遣は、応募…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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