「僕たちはサバイバー」 あるデザイナーが伝えたかったこと

 端午の節句はとうに過ぎたが、JR岡山駅には大きなこいのぼりが泳いでいる。こいのぼりをデザインしたのは渋谷ザニーさん(37)。幼少時に難民としてミャンマーから来日し、いまは皇族の洋装も手がける気鋭のファッションデザイナーだ。

 2月21日。ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が高まるなか、渋谷さんはツイッターに1枚の写真を載せた。日本で初めて見た雪景色。両親に挟まれたのが8歳の渋谷さんだ。「1993年に来日した難民家族」と書き、こう続けた。

 「僕たち難民は敗者ではありません。僕たちが、サバイバーです」

 ウクライナから日本にも、きっと難民が来るだろうと予感していた。「僕が(難民の)代弁者として言葉にして行く。いまがその時だと思った」

 3日後、ウクライナ各地でロシアの攻撃が始まった。

 父はミャンマーで民主化運動に参加していた。3歳の時に自宅が銃撃され、教わっていた通りベッドの下に潜ったのを覚えている。

渋谷センター街で注目

 先にミャンマーを離れた父を…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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