テレビ局で報道番組のメインキャスターを務めていた2013年、清水健さんは、スタイリストだった奈緒さんと結婚した。その1年後、妊娠中の奈緒さんに乳がんが見つかった。長男を出産後、奈緒さんは29歳で亡くなった。
最愛の人との早すぎる死別。「乗り越えられるわけがない」
「おなかの子と3人で」決めたけど
子どものときから、体を動かすことが好きだった。中学、高校では陸上部。オリンピックや高校野球の実況に興奮した。言葉で感動を伝えたいと思い、アナウンサーを志した。大学卒業後の2001年、読売テレビに入社。09年には夕方の報道番組で初めてキャスターを任された。
生来の「ええかっこしい」で、周囲に弱みは見せない。だが、初めての本格的な報道番組。重圧に押しつぶされそうな日々が続いた。そんな自分にいつも「大丈夫ですよ」と、声をかけてくれたのが奈緒さんだった。
ほどなく交際を始め、13年にプロポーズした。1年後には妊娠も分かった。「自分が奈緒を、子どもを守っていこう」。そう決意した矢先、奈緒さんの左胸にがんが見つかった。
「おなかの子と3人で生きる」。そう決めてからは、病室で寝泊まりしながら仕事に通い、最善の治療を求めて多くの医師のもとを訪ねた。しかし、15年2月、奈緒さんは帰らぬ人となった。結婚して1年9カ月、長男が生まれて3カ月後の別れだった。
背負い込み、すり減って
奈緒さんにがんが見つかったこ…
【1/15まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル