「僕は部落生まれ」語るためらいと覚悟 それでも差別の実態伝えたい

 兵庫県の被差別部落に生まれ育ったノンフィクションライターの角岡伸彦さんは部落差別という概念自体が「本来あってはならない存在」だと語ります。自らの体験に基づき、差別のない社会をめざす思いを聞きました。

 部落差別とは、かつての賤民(せんみん)が集住していたとされる部落(同和地区)に住む人に対する差別です。僕は被差別部落や部落民という概念自体が「本来あってはならない存在」だと思っています。差別がなければ存在しなかったわけですから。

 差別がなくなるのを待つか、それとも自ら明らかにするか。両極の間で、部落の人たちは揺れ動いてきました。

「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と結ばれる水平社宣言から100年。日本初の人権宣言と言われ、社会のあらゆる人権問題の克服に向けた原点となってきました。誰にも潜みうる差別の心を溶かす「熱」と、すべての人を等しく照らす「光」を手にできるのか。人間の尊厳を重んじる宣言の精神を改めて見つめます。

 水平社宣言を僕なりに解釈す…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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