成人年齢の引き下げで18~19歳が裁判員に選ばれるようになったことを受け、大阪地裁は8日、年代の近い20代の裁判員・補充裁判員の経験者5人を招き、法曹三者と意見交換した。よりよい裁判員制度の運営を目的に、定期的に開催しており、刑事裁判官、公判検事、弁護士も参加した。
経験者からは、裁判に向き合う際の難しさなどが語られた。大阪府八尾市の男性(23)は「事件がメディアで取り上げられると、それが本当のような感覚になる。先入観なしに判断するのは難しいと感じた」。20代の会社員女性は「裁判は感情ではなく、証拠に基づいて判断する。もっと広く知られてほしい」と話した。ネットには「判決への表面的な批判が多い」と感じるといい、裁判員になる同世代に向けて「批判は見ない方がいい」と語った。
法曹界への注文も。大阪市の男性(22)は公判日程が確定するのが遅く、アルバイトで有休を取る手続きが間に合わなかったという。「もっと早く決めてほしかった」
東大阪市の大学生、藤谷樹さん(22)は強盗致傷事件の裁判を担当し、「今でも、被告がどうしているんだろうと思うことがある」。弁護士が発信するユーチューブを見るなど刑事裁判への関心も高まったという。参加した知花鷹一朗(よういちろう)弁護士は「被告の人生は裁判で終わりではない。裁判員を経験し、罪を犯した人に想像力を働かせてくれることはありがたい」と話した。(森下裕介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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