「商品先物取引の損失を取り戻せる」などとうたい、消費者に多額の金銭を支払わせているとして、消費者庁は5日、消費者安全法に基づき、東京都千代田区西神田2丁目の探偵会社「コム」の名前を公表し、注意を呼びかけた。
同庁によると、同社は2018年ごろから、かつて実在した商品先物取引業者の元顧客らに電話し、「業者のやり方は違法取引。裁判をすれば必ずお金を取り戻せる」などと勧誘。主に調査費用の名目で金銭を支払わせていた。元顧客らに送られた調査報告書は業者が入居していた建物の写真などが載っているだけで、返還請求に役立つような情報はなかったという。
同庁の調査に、同社はこれまで61人と計4890万円の取引があったと明らかにし、社長は「部下の勧誘時の言葉が足りなかったかもしれない。だますつもりはなかった」と説明したという。消費生活センターが仲裁に入り、返金に結びついた例もあるという。
消費者庁は先物取引業者の顧客名簿が出回っているとみて、過去の損失を取り戻せるといった勧誘は無視するよう注意喚起している。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル