大山稜、土舘聡一
元本保証や高配当を約束し、無登録で出資を募ったとして、警視庁は投資会社リプラス(東京都港区)の幹部ら7人を金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で逮捕し、5日発表した。2017~20年に全国の約1500人から計約80億円を集めたという。運用実態がなかった可能性が高いとみて、同庁は詐欺容疑でも調べている。
逮捕されたのは社長の山下寛子(48)=港区麻布十番2丁目=、運用担当の幹部だった白石勢輔(64)=住所不詳=の両容疑者のほか、元社員ら5人。
生活経済課によると、7人の容疑は2017年4月~19年3月、金融商品の取引資格がないのに首都圏の男女12人から計約3500万円を集めたというもの。認否は明らかにしていない。同社は株や先物取引で運用すると説明し、「毎月最大10%の配当を得られる」「元本を保証する」と出資を募ったという。
同社は13年5月に設立された。出資者によると、白石容疑者を「運用のプロ」とPR。社員が知人を誘ったり、客から知人を紹介してもらったりして顧客を増やした。捜査関係者によると、集めた金は運用せず、別の客に配当として渡す「自転車操業」だった。1人で1億円超の出資をした人もいたという。
■「毎月10%の高配当」見せられた札束
「元金は保証されています。ご安心ください」
首都圏で会社を経営する50代男性は2018年1月ごろ、社会保険労務士の男からデリバティブ(金融派生商品)取引による投資話を持ちかけられた。
商品は幹部らが逮捕された「リプラス」のもので、100万円単位で出資すれば毎月10%の配当を得られるとの説明だった。「元本が保証されている」と男は強調。勧誘時に札束を見せながら、「私もやっています。配当金です」「安全な投資です」と説明した。
男は経営者団体の仲間で、信…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル