3児の父であるSさんは、都内の認可保育園で働いている。
保育士歴は約20年で、現在は主任として同僚たちの取りまとめ役だ。
2月中旬、新人と雑談していたら、前日の出来事について相談された。
夕方、母親が迎えに来たのに帰りたがらない園児がいたそうだ。
何度か声をかけたが、塗り絵に熱中して「まだ遊びたい!」と言う。
母親は早く帰りたかったのか、イライラしているようだった。
新人保育士が「どうしましょうかね?」と母親に声をかけると、こんな言葉が返ってきた。
「ベテランの○○先生だったらすぐに帰ってくれるんですけどね。やっぱり先生は若くて、お子さんもいらっしゃらないから~」
かつてSさんも、新人で1歳児を担当していたころに同じことを言われたことがある。
園児を着替えさせる際、襟元のボタンをとめ忘れて「先生は子どもいないからね~」と。
その時はあまり気にすることなく、「明日もう1回チャンスをください!」と返した覚えがある。
だが、今回は自分が言われたわけではない分、余計にその言葉が気になった。
保護者対応も含めてしっかり頑張っている保育士に対して失礼なんじゃないか、と悔しかった。
そして「次、そんなことを言われたら俺の出番だな」と言って、温めていた返しの言葉を披露した。
「子どもがいない保育士が保…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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