金子和史
共産党の「党首公選」を訴え、除名処分となった元党職員の松竹伸幸氏が7日、党員としての地位確認を求めて東京地裁に提訴した。党の機関紙「しんぶん赤旗」の記事で名誉を傷つけられたなどとして、550万円の賠償も求めている。
訴状によると、松竹氏は2023年1月、党首の選出方法について、党の中央組織が選出する方法ではなく、投票で選ぶ「公選制」にすべきだと主張する書籍を出版した。党は、書籍の出版が「党内に派閥・分派はつくらない」などとする党規約に違反するとして、翌月に除名処分とした。党の最高機関である党大会は松竹氏の再審査請求を却下した。
松竹氏側は、党規約は憲法が定めた出版の自由を侵害する、と主張。処分に際して意見表明の機会などがない手続きも不適正で、処分は違法だと訴えている。
最高裁は1988年、やはり共産党の除名処分が問題になった訴訟で、処分が内部的な問題にとどまる場合、「自立的な解決に委ねられるのが相当」とし、裁判所の審査権が及ばないと判断。松竹氏側は「政党のあり方は国民の重大な関心事」だとして、判例の変更を求めている。
共産党は「提訴は全く不当なものだ。処分は厳正かつ適正に行われ、最終的に決着済みの問題だ」とコメントした。(金子和史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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