「入管の人は心があるの?」 やせ細った姉、死のサインあったのに

ウィシュマさんの遺影を手にする妹のポールニマさん=2022年3月9日、東京都新宿区、鬼室黎撮影

 名古屋出入国在留管理局の収容施設から救急搬送されたウィシュマ・サンダマリさん(当時33)は2021年3月、身近にいた入管職員にも病状の深刻さを理解されないまま、死亡した。

 その死はスリランカ本国のみならず、CNNやBBC、ニューヨーク・タイムズなど欧米メディアでも報じられ、日本の入管収容問題への関心が高まることになった。

 ウィシュマさんの遺族は、今も死因を知らない。

出入国在留管理局の収容施設で何が起きたのか――。2021年3月、名古屋の施設でスリランカ人女性が死亡しました。入管庁、遺族、関係者への取材から、その経緯と背景に迫る6回連載の2回目は、女性から発せられた死のサインについて検証します。

 入管庁が公表した報告書では死因はどのように説明されたのか。そして、その説明は十分なものと言えるのだろうか。

情報開示請求によって「開示」された黒塗りの資料と遺族から提供されたウィシュマさんの写真=鬼室黎撮影

 姉の死の真相を知りたいと、スリランカからウィシュマさんの2人の妹、ワヨミさんとポールニマさんが成田空港に到着したのは21年5月1日のことだ。

 2週間の隔離期間を終えた2人は同月16日、弁護士たちに付き添われて名古屋市に向かった。

 目的地の葬儀場では、やせ細った姉がひつぎの中で変わり果てた姿になっていた。この時の様子はTBSのテレビ番組「報道特集」で5月に放映された。

 体を震わせ、泣きながらポールニマさんがウィシュマさんに近づいていく。「やせている、すごくやせている」。気が動転し、涙が止まらない。「本当にお姉さんなの。なんてことなの」

 ワヨミさんはひつぎの横に泣…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment