「公文書は原則公開、県は認識を」オンブズ、関電問題報告書巡り勝訴

 関西電力の元役員らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から金品を受け取っていたことが発覚して4年。金品受領が県職員にも広がっていたことを調査した際の職員らの回答内容をめぐり、名古屋高裁金沢支部が15日、回答内容を非公開とした県の処分の取り消しを命じた一審判決を支持し、県の控訴を棄却した。4年間にわたって情報を黒塗りの下に隠してきた県の姿勢が改めて問われる。(永井啓子、小崎瑶太)

 2022年9月の一審・福井地裁判決は、調査結果は公表される前提だったとし、調査で使った文書にも、回答を非公開にするとは明記されていなかったなどと指摘。個人のプライバシーとして保護するに値しないとした。そのうえで、回答内容は「公務の公正に強く関わる性質の情報」だと判断。公開が特定の公務員には不利になったとしても「公務の公正を確保するために正当なものだ」と結論づけていた。

 これに対して県は控訴。高裁でも、回答が「個人に関わる情報だ」と主張して、公開されると調査対象者が特定される恐れがあるとも強調した。また、回答内容が公開されると、今後、同じような調査で対象者から任意の協力を得られない事態が想定される、などと訴えてきた。

 だが、高裁判決は一審判決を支持。職員らの回答が個人に関する情報に当たる可能性は否定しなかったが、「一律に、公にすることにより、個人の権利利益を害する恐れがあると言えるかは疑問」などとして、一律に非公開とした県の処分は違法だったと断じた。

 判決後、原告の「市民オンブズマン福井」の伊東晴美さん(70)らが金沢市内で会見し、伊東さんは「ほっとした」と語った。

 県の顧問弁護士でつくる調査…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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