二大政党政治の実現を目指して旧民主党と旧民進党に籍を置きましたが、共産党を含む野党共闘路線にどうしてもくみすることができず、離党を決意しました。旧民主党と旧民進党は所属議員の価値観の違いが激しすぎて分裂しました。国民にとっては大迷惑以外のなにものでもありません。当事者の一人として素直に謝罪します。
古巣に強い違和感を覚えたのは、安倍晋三政権の安全保障法制を審議した平成27年の国会の最中でした。
「外交・安全保障政策で与野党間に大きな違いがあってはいけない」
そんな思いで対案を世に問うことが大事だと訴えましたが、党執行部は「憲法違反」と断じて対案の提出を見送ったばかりでなく、安保政策が大きく異なる共産党と歩調を合わせることを決めました。がくぜんとしましたね。当時、党の命令で、国会で「安保法制反対」のプラカードを掲げさせられたことは、嫌で嫌で仕方がありませんでした。
誤解をしていただきたくないのは、私は政策や理念は異なるとはいえ、共産党の確固としたスタンスは尊重する者です。翻って立憲民主党や国民民主党は、選挙の時に候補者を降ろしてもらう一方、堂々と共闘しているとは言わない。これは共産党に対して不誠実な態度であり、協力するなら本気で連携すべきですよ。 旧民進党を離れ、しばらく無所属で活動していた私を自民党に誘ってくださったのは菅義偉(すがよしひで)官房長官と党新潟県連の幹部です。昨年の新潟知事選で「協力してほしい」とお願いされたのがきっかけでした。選挙後に二階俊博幹事長ともお会いし、同じように声を掛けていただきました。
野党でいくら筋を通しても認めてもらえず「裏切り者」扱いまでされたので、ご縁に導かれるように自民党入りを決断しました。
今年3月20日に入党届を提出すべく、生まれて初めて自民党本部を訪れました。私の選挙区と田中角栄元首相の生まれ故郷が同じだったため、二階さんから「総力結集 自由民主党総裁田中角栄」という書をいただきました。「私は目上の人に引き上げてもらって今の立場がある。だからあなたのことも引き上げたい。なんでも言ってくれ」と激励していただいたことは忘れられません。
二階さんの派閥に入るのか? そこは菅さんをはじめ、ご縁を頂いた方々と相談しながら決めたいですね。
自民党青年局が、他党に所属したことがある国会議員が入党する際のルールを明確にするよう執行部に提言すると報じられています。原因が私なのか、1月末に二階派(志帥会)に入った旧民主党出身の細野豪志元環境相なのかは分かりません。私は党新潟県連の承認をいただいた上で入党しています。自民党に入った以上はしっかりと党勢拡大に努め、田中元首相の書にある通り「総力結集」を地でいきたいと思います。(広池慶一)
◆わしお・えいいちろう 昭和52(1977)年、新潟市生まれ。東大経済学部を卒業後、平成17(2005)年の衆院選で旧民主党から出馬し、初当選。農林水産政務官などを歴任した。29年に旧民進党を離党し、同年の衆院選は衆院新潟2区で無所属として当選した。今年3月に自民党入りした。
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