「内密出産」戸籍づくりは緊急避難 赤ちゃんの将来に残された課題

 国内初の「内密出産」は、現行法の規定で例外的に赤ちゃんの戸籍が作られる見通しとなった。だが、緊急避難的な色合いが濃く、予期せぬ妊娠に悩む女性と生まれた赤ちゃんの安全や権利を守れるかどうかには、依然として課題が残る。病院や自治体側には法整備を望む声が強いが、国に動く様子は見えない。

 10日朝、熊本地方法務局から示された「回答」は、慈恵病院の蓮田健院長にとって想定外のものだった。

 昨年12月に西日本の10代女性が出産した赤ちゃんの出生届を、院長が母親名を書かずに出すのは犯罪かを問うた病院に対し、法務局はそれには新見解を示さず、逆に赤ちゃんの戸籍記載を優先し、首長職権に基づく手続きに協力するよう求めた。

 「戸籍ができれば良いので、赤ちゃんに不利益がなければ出生届は出さなくても良い」。蓮田院長は女性の匿名性を保つため、母親の名前を記さない出生届を14日に提出する予定だったが、法務局が示した方法に従い、熊本市と協議を進める考えを示した。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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