桜が満開なのに花見客がいない上野公園、マスク姿の参拝客でごったがえす初詣――。コロナ禍に揺れる東京を、写真家の初沢亜利さん(48)が記録した写真集「東京二○二○、二○二一。」が出版された。初沢さんは「歴史的な日々を撮ることになった」と話す。
初沢さんはパリ生まれ、東京都港区育ち。これまで北朝鮮や沖縄、東日本大震災の被災地などを撮影してきた。その過程で、「目新しいものがないと思ってきた東京に、あらゆる権力が集中していると見えるようになった」と感じたという。次は東京と決め、撮影を始めたころ、コロナ禍に突入した。
写真集には、2020年4月に初めて緊急事態宣言が出た前後から、衆議院選挙があった昨年10月までに撮った計168枚を収めた。ほぼ時系列に並ぶ写真から浮かび上がるのは、矛盾と対立だ。
使用禁止になった公園遊具が…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル