「出てきた」思い出詰まる亡き妻の携帯 押しつぶされた店で探し続け

 「出てきたよ。探してた携帯」

 能登半島地震の発生から1カ月となる1日午前、石川県輪島市居酒屋「わじまんま」を営んできた楠健二さん(55)は、2台の携帯電話を手に笑顔を見せた。

 倒壊した7階建てのビルに自宅兼店舗が押しつぶされ、妻の由香利さん(当時48)と次女の珠蘭(じゅら)さん(当時19)が亡くなった。1日も朝から、崩れた店のがれきの中で、家族の物を探していた。

 そして見つけた自分と由香利さんの携帯。そこには思い出の写真がたくさん入っている。地震が起きた時、家族で過ごしていた3階のこたつ机の下にあった。

 「見つからないかなとも思っていたから、うれしい」。由香利さんの携帯を握りしめ、「本人がここにあるよって言ってくれたかもしれないね」と話した。

 由香利さんからもらった時計や、珠蘭さんの携帯電話もどこかにある。

 午後も探し続ける。(岡純太郎)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

能登半島地震

1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment