生徒の減少で閉校の危機にある北海道南部の海辺の高校が、都市部の生徒を受け入れる「漁村留学」で生き残りを図ろうとしている。過疎地の学校への入学は本人や家族の覚悟が必要だが、観光地としてもにぎわう函館市が日帰り圏内という「ハードルの低さ」をアピールする。
「11人。募集停止は免れました」。今年2月、北海道福島町にある福島商業高校の国村光二教頭は、同校への出願者数の数字を見て胸をなで下ろした。道立高校の存続条件の一つである1学年10人を何とか上回ったからだ。
福島町は人口約3800人。函館市から南西約70キロの津軽海峡に面した場所にある。漁業や水産加工業が盛んだが、同校は周辺地域の人口減少や少子化に伴い定員割れが続いている。かつては300人以上の生徒がいたこともあるが、現在の生徒数は定員120人に対して34人しかいない。
同町の小野寺則之教育長は「福島商がなくなれば、地元企業は人材難で困る。また、他の学校に通うとなればバス通学や下宿で教育費負担が増え、家族で函館に転出する世帯もあるだろう」と話す。
町教育委員会は今年度、町内の…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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