28日午後7時半ごろ、福岡市中央区地行浜(じぎょうはま)2丁目の大型商業施設「MARK IS(マークイズ) 福岡ももち」で、女性が男に刃物で刺されたと110番通報があった。福岡県警によると、女性は20代で、病院に運ばれたが、間もなく死亡が確認された。県警は警備員に取り押さえられた男を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した。
にぎわう大型商業施設で起きた事件。訪れた人たちに恐怖と驚きが広がった。
「店内に悲鳴が響き、騒然としていた」。東京から出張で福岡を訪れていた会社経営の男性(35)は午後7時半すぎにマークイズに入店し、泣きじゃくりながら母親と店を出る女の子とすれ違った。「キャー」という複数の叫び声も聞こえたという。
テナント従業員の男性は、1階のトイレ付近で女性の悲鳴を聞いた。トイレから出てきた若い女性から「友達が刺されたかもしれない」と聞き、男性は警備員を呼びに向かった。「刃物を持った人がいる。離れた方がいい」と施設内で声をかけて回ったという。
妻と買い物をしていた福岡市の会社員男性(43)によると、さすまたを持った警察官20人ほどが施設内に駆け込み、誰かを捜す様子で行き来していた。その後、容疑者とみられる若い男が警察官に連れられて歩いてくるのを見た。Tシャツは血で染まっていたという。男性は「館内放送もなく、事情が分からず困惑した。治安がいいイメージの場所なのでこんなことになって驚いた」と話した。
現場はJR博多駅から西に約5キロの商業施設。2018年に開業し、映画館や書店、飲食店などのテナントがある。ペイペイドームに隣接し、近くには韓国や中国の総領事館、九州医療センターなどがある。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル