「切なる声を黙殺」「時の壁だ」 強制不妊訴訟、原告団怒り

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新谷千布美 上保晃平 石垣明真

 「事実を認めることができない」。旧優生保護法(1948~96年、旧法)をめぐる16日の札幌高裁判決は、2021年2月の一審・札幌地裁判決に続き、女性(80)と夫(提訴後に死去)の訴えを退けた。弁護団は「結論ありきの評価だ」と強く批判した。上告を検討するとしている。

 「ようやくあげた被害者の切なる声を司法が黙殺するに等しい」

 判決後、弁護団はそう声明文を発表した。

 「妻を助けてほしい」。42年前の手術を夫が弁護士に相談したのは18年3月。同年6月、夫婦で提訴した。全国初の家族での提訴。だが夫は法廷に立つ前、19年8月に他界した。

 女性には外見上、不妊手術の手術痕はない。弁護団は、膣(ちつ)から器具を挿入して卵管を縛る、痕の残らない方法がとられた可能性が高いと主張していた。加齢で痕が消えることもあり、女性の体への負担から追加検査が困難な事情もあった。

 一審判決は、原告側が証拠と…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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